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しまね住まいの家研究会
〇島根県知事への要望書を提出しました。
当会及びしまね住まいの家研究会(住宅関連産業の各団体で構成された任意団体)は、平成27年3月5日各業界の代表、役員、中央会会長、副会長が出席し、島根県知事に対し、しまねの地場住宅関連素材を使用し、永年培った伝統的技術を活用した良質な住宅「しまねの家」建築に向けて要望書を提出しました。
瓦、木材の地場産品に対する助成制度の継続に加え、伝統技術の継承に関する支援を要望いたしました。
また、各業界から業界の現状、課題について知事との意見交換を行い、業界への理解を求めました。
〇業界を取り巻く環境
住宅市場は厳しさを増しており、住宅建設業界においては打開策を容易に見出せない環境下にあります。
住宅建築業界(企業)において、施主である消費者は、大手資本等の元請けを通さなければ素材・資材・サービスに触れる(選ぶ)ことができず、選択肢やそれらの情報が恣意的に偏っており、必ずしも良好な環境にいるとはいえない状況があります。一方で、住宅関連事業者は、ユーザーである消費者に直接訴えかける術が十分でなく、売上機会の損失となっている現状があります。これは、他に誇れる上質な木材、瓦という素材や、地域の気候風土に根付いた熟度が高い住宅建築技術、サービスが県内にあるにも関わらず、自ら能動的に直接コミュニケーションがとれない仕組み上の欠陥であり、住宅関連事業者の軽視、ひいては消費者の利益を損ねる結果となっています。
加えて、かねてから県内住宅建築業界からは警鐘を打ち鳴らしていた構造的な職人不足が顕在化しており、高い技能を持つベテランの職人が現場から消え、品質低下や工期遅れが危ぶまれる状況となっており、若手の採用や育成が急務となっています。
〇しまね住まいの家研究会とは
平成13年に島根県内の住宅関連業界による勉強会を自主的に立ち上げました。(名称:しまね住まいの学校)発足当時のメンバーは、木材(島根県木材協同組合連合会)、畳(島根県畳事業協同組合)、瓦(石州瓦工業組合)、左官(島根県左官工業協同組合)、建具(島根県建具協同組合)、板金(島根県板金工業組合)、建築設計(協同組合建築技術センター)の7つの団体で構成され、業界が抱える課題や動向等、意見交換を行いながら業界が進むべき方向性や役割について話し合いを重ね、住宅建築、リフォームにあたり、真に良いもの、ニーズにあったものを提供できるように勉強会を開催し、一般ユーザーへの情報提供及び業界団体の知名度向上等を目的に活動を行ってきました。
平成15年に業界の情報発信と施主等の家に関する質問に対応するため、ホームページを開設しました。その後さらに業界をPRし、卓越した技術力と素材の良さを知ってもらうべく、平成18年にはしまね住まいの学校を開校し、建物の構造、島根の風土にあった建物等、専門家ならではの話や技術が披露され、参加者も実際に左官の塗り壁体験等を通して職人の技に触れ、改めて技術力の必要性について認識することができました。
こうした取り組みから消費者に業界が認知され、その後も定期的な情報交換、勉強会を行ってまいりました。
平成24年にはしまね住まいの家研究会に名称を変更し、消費税増税後の住宅需要の減少が懸念される中、業界として新たな攻めの提案として業界のメンバーが携わった木材・瓦を主軸とした住宅を「しまねの家」としてモデル化し、消費者、業界双方にとってメリットのある家造りを目指していくことを機関決定しました。
平成26年には趣旨に賛同し、外構(松江造園協同組合)、工務店(島根県住まいづくり協会)、大工等(島根県建築組合連合会)の業界がメンバーに新たに参画しました。
今後の取り組みについて
今回の要望書を提出し、しまねの家についての新たな一歩を踏み出しました。住宅着工について厳しい市場になることが予測される中、業界が施主にとってメリットのある建物を提供し、業界が活性化していくことを期待します。
県内の地場産品の活用と伝統技術を結集させ各業界が携わった住宅から、しまねの豊かさを実感できる家造りを目指し、島根の地場住宅関連業界が永年培った伝統的技術の継承、生来からの地場産業振興の側面も合わせて、良質な住宅、「しまねの家」を提案・実現を目指します。
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