は じ め に

 わが国経済は、一部大企業を中心に景気回復基調にあるといわれるものの、中小企業は長期に亘る不況により疲弊を極めており、とりわけ小・零細企業の多い島根県においては、依然として低迷が続き、未だに景気回復を実感できる段階にはありません。
 加えて、国が進めている三位一体改革による地方交付税の大幅な削減は、地方財政をこれまでにない厳しい局面に追い込んでいる状況にあり、島根県においても各事業費が大幅に削減され、特に公共事業費の削減は、基盤産業でもあり雇用の大きな受け皿となっている建設業の経営環境に深刻な状況をもたらすと危惧され、また個人消費の低迷、受注の減少、競争の激化、取引条件の悪化などによる経営環境も依然として厳しい状況下にあります。
 このような中でも、納品・サービスの迅速性、品質・精度や技術力の高さを武器にし、懸命に経営努力を行っている県内企業も少なくありません。また、それを支える質的な人材確保に対する潜在ニーズは今回調査結果でも高いのでありますが、実際の雇用面では遺憾ながらミスマッチがあるのではないかと考えられます。
 このため、最近の新規求人数は僅かながら増加傾向にあるものの、若年者・高年齢者を中心とする新規求職者数も多いことから、県内の有効求人倍率は引き続き低水準で推移しており、雇用情勢は依然として厳しいものがあります。
 ところで、この調査は、県内中小企業の労働事情に関して毎年継続して行う調査内容に、時期折々の重要な事項を加えまして全国一斉に実施するものであり、本年も当会傘下の組合等を通じた600事業所を調査対象として行ったところであります。
 本調査にご協力頂きました事業所の皆様方に厚くお礼を申し上げますと共に、調査結果報告書が企業の適正な労務管理の参考書としてお役に立ちますれば幸甚に存じます。


  平成16年12月
島根県中小企業団体中央会  
会長 今 岡 嘉久三