利益等を資本に組み入れた場合のみなし配当の非課税(租特9条の3、9条の4)

1.対象となる株式会社、有限会社
   (1) 株式会社
  @  平成3年4月1日時点で現に存する会社で,その資本の額が1,000万円に満たないもの
A  平成3年3月31日以前に定款の認証を受け、平成3年4月1日以後に成立した会社で、その資本の額が 1,000万円に満たないもの
(2) 有限会社
@  平成3年4月1日時点で現に存する会社で、その資本の額が 300万円に満たないもの
A  平成3年3月31日以前に定款の認証を受け、平成3年4月1日以後に成立した会社で、その資本の額が 300万円に満たないもの
〔備考〕
  1. 平成3年4月1日より株式会社に最低資本金制度が導入され、同日以後株式会社の資本の額は 1,000万円を下ってはならないこととなった(商法第168条ノ4)。
  2. ただし、平成3年4月1日時点で既存の株式会社であって、資本の額が 1,00万円に満たないもの(上記「1.対象となる株式会社」)が、今後も株式会社として存在するためには、平成3年4月1日から平成8年3月31日までの間(猶予期間)に資本金を 1,000万円以上に増資する必要がある。
  3. 株式会社が5年間の猶予期間内に最低資本金額まで増資又は有限会社等への組織変更等を行わないときは、その会社は解散したものとみなされる。
  4. 有限会社の最低資本金額も平成3年4月1日より10万円から 300万円に引き上げられ(有限会社法第9条)、最低資本金額を充たしていない既存の有限会社についても株式会社と同様に5年間の猶予期間が設けられている(改正商法附則第18条)。
2.非課税とされるみなし配当等の範囲
 株式会社にあっては、資本に組み入れた金額のうち、利益の配当の額とみなされる金額で資本の総額が 1,000万円に達するまでの部分に相当する金額
 有限会社にあっては、利益の配当の額であって、資本の総額が 300万円に達するまでの部分に相当する出資の払込み金額
〔参考〕
 本制度の適用を受けた株式会社、有限会社の株(個人・法人を問わない。)は、上記「2.非課税とされるみなし配当等の範囲」においてこの非課税規定が適用され、みなし配当等に係る所得税の源泉徴収は行われない。
3.適用期間
 株式会社における利益の資本組入れにあっては株主総会の決議が、準備金の資本組入れにあっては取締役会の決議が、平成3年4月1日から平成8年3月31日までの間に行われるもの
 有限会社にあっては、平成6年4月1日から平成8年3月31日までの間に利益配当を出資の払込みに充てるもの