〔Ⅲ〕調査結果の概要

1. 経営状況

(1) 現在の経営状況

島根県下の中小企業の経営状況について年次推移をみると、「良い」とする回答は過去5年間は、微増傾向にあるものの、平成16年度から平成19年度にかけては、1.1ポイントしか伸びておらず、頭打ちの傾向がみられる。

一方、「悪い」とする回答は徐々に減少しており、平成15年度から平成19年度までで16.8ポイント減少している。また「変わらない」とする回答は平成15年度から平成19年度までで10.2ポイント増えている。

経営状況

次に、現在の経営状況について、平成19年度の調査結果を詳細にみていくと(グラフ次頁参照)、島根県計では「悪い」が47.5%で最も多く、次いで「変わらない」(42.2%)、「良い」(10.3%)と続いており、全国平均と比べると、「悪い」が5.6ポイント上回っており、全国レベルの景況感との差異を感じさせる結果となっている。

規模別にみると、大規模事業所ほど「良い」とする回答が多くなる傾向がみられる。1~9人の零細規模の事業所では「良い」とする回答率が一桁(6.0%)に落ち込み、「悪い」とする回答率も53.4%と高くなっている。

産業別にみると、製造業における「悪い」とする回答率41.0%に対して、非製造業では53.3%と、12.3ポイントと大きく上回っており、県下非製造業者における景気停滞が大きな課題として認識できる。具体的な業種でみると、「悪い」とする回答率は、「建設業」(66.0%)、「卸売業」(51.7%)、「小売業」(55.3%)などで5割を超えている。特に「建設業」での回答率の高さが目立つ。

製造業について、「良い」とする回答率の高い業種をみると、「金属・同製品製造業」(22.2%)、「食料品製造業」(17.6%)、「出版・印刷同関連産業」(16.7%)、「木材・木製品製造業」(16.0%)などがあげられ、「金属・同製品製造業」と「食料品製造業」については、「悪い」とする回答率も20%台で、比較的経営状況が安定している業種であるといえる。

現在の経営状況
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