[8] 別表十一(三)

 この別表は、組合が従業員への退職給与の支給による費用に当てるため、損金経理により退職給与引当金へ繰り入れを行っている場合に、繰入額に超過額はないかを計算し、かつ繰入額の限度額まで損金に認めてもらうための要件として作成します。

(注) 退職給与引当金を損金経理により繰り入れを行う場合には、確定申告書の提出期限までに、納税地の所轄税務署長に退職給与規定を提出しなければなりません。
STEP1 「期中退職給与発生基準額の計算」の「退職給与(1)」の「当期末の要支給額 32」及び「前期末の要支給額 33」
 当期末または前期末に在職する使用人の全員が、それぞれのときにおいて自己の都合により退職するものと仮定した場合に各使用人につき、それぞれのときにおいて定められている退職給与規程により計算される退職給与の額の合計額を記入します。
設例では、20,000円としています。
STEP2 「退職給与 (1)」の「33のうち当期中に退職した者にかかるもの 34」
当期中に使用人が退職した場合、この者に対する退職給与の前期末要支給額を記入します。
STEP3 「退職金共済契約等または適格退職年金契
退職金共済契約等を締結している組合が、退を含めている場合、上記と同様に記入します。
区      分 当 期 末 の
要 支 給 額

32
前 期 末 の
要 支 給 額

33
(33)のうち当期
中に退職した者
に係るもの  
34
退  職  給  与 (1) 20,000 0 0
退職金共済契約等又は
適確退職年金等に …
(2)
差引事業主の支給する
退職給与  (1)-(2)
(3) 20,000 0 0

 この場合、「当期末の要支給額 32」及び「前期末の要支給額 33」「33のうち当期中に退職した者にかかるもの 34」は、共済契約を締結している団体にお問合せ下さい。

STEP4 「当期繰入額 1」
当期の損益計算書の退職給与引当金繰入額を記入します。
 設例として、15,000円を繰入ます。
STEP5 「期末使用人の給与総額 3」
 期末に在職する使用人(日々雇い入れられる者、臨時に期間を定めて雇い入れられる者その他の者で退職給与の支給の対象とならない者を除きます。)に対する給料、賃金、賞与及びこれらの性質を有する給与で当期に損金経理したものの総額を記入します。
(注1) 使用人兼務役員については、退職給与引当金は認められませんので、この給与総額には使用人兼務役員に支給した報酬、賞与等は含みません。
(注2) 労働協約により退職給与規程を定めている法人、労働協約によらないで退職給与規程を定めている法人のうち「給与総額基準に定める書面」を退職給与規程に添付して税務署長に提出している法人は、この欄の記入は不要です。

設例として、300,000円とします。

当  期  繰  入  額 1 15,000
  期中退職給与発生基準額 2 20,000
    期末使用人の給与総額 3 300,000
STEP6 「期首現在額 19」
当期首現在の退職給与引当金の金額(前期申告書別表十一(三)の「差引期末現在額 24」の金額)を記入します。
STEP7 「退職による取崩額 20」
当期において退職者があったため、その退職により取り崩した退職給与引当金の金額を記入します。
STEP8 「同上以外の場合による引当金取崩額 21」
当期において前期以前に生じた退職給与引当金繰入限度超過額を取り崩した場合等に記入します。
STEP9 「同上のうち前期末までに益金の額に算入された金額 25」
「差引期末現在額 24」の金額のうち、前期以前において繰入限度超過等によって益金の額に算入された金額の合計額(前期申告書の別表五(一)「退職給与引当金繰入限度超過額」の「差引翌期首現在利益積立金額 (5)」)を記入します。
STEP10 「当期中において退職により益金の額に算入すべき金額 26」
 当期中に使用人が退職した場合に記入し、原則として「34 (3)」の金額から「20」の金額を控除した金額を記入します。
 ただし、当期中において退職給与規程の改正等により、退職給与の全部または一部が退職金共済契約等に基づき支給されることとなった場合には、退職者について前期末現在において定められている退職給与規程により計算した退職給与の要支給額の合計額から「20」の金額を控除した金額を記入します。
STEP11 「経過措置の適用がある場合の累積限度額」11〜15
経過措置の適用がある場合とは、昭和55年に改正された規程の適用を受ける場合であり通常は記入の必要はありません。
STEP12 「退職年金制度に移行した場合の累積限度額 16」
当期以前の各事業年度において退職給与の全部または一部が適格退職年金契約に基づく給付金または厚生年金基金からの給付金として支給されることとなった場合に記入します。
STEP13 「累積限度超過額 17」
マイナスになる場合はゼロとします。

この別表はこれで完成です。